「駿河竹千筋細工」の現状と課題

下の文は、昭和58年ごろ静岡竹工芸協同組合より発行された資料を書き直した物です。
現状と課題については、15年たった今も残念ながらあまり変わっていません。
後継者については、40代前後が私を含めて4人です。
企業数は、昭和52年に激減していますが、それ以後は現在もあまり変わっていません。
ということは、この15年、がんばってきたと言うことでしょうか?

戦前、家庭の日用品は、そのほとんどを職人の手仕事によって供給されていました。
しかし、戦後になると、そのほとんどが工業製品となりました。
このような中で、多くの伝統的工芸品の置かれている立場は、非常に厳しいものです。
生産高は安定していますが、生産量は、2 6万個(昭和51年度)から 23万個(昭和57年度)に減少しています。これは、昭和53年頃から輸出が0になったことも原因だと思われます。
企業規模についても、企業数・従事者数が共に減っています。
これは、竹千筋細工特有の性質上、高年令化し小零細企業がほとんどなので、従事者の死亡や廃業による結果です。
そして、後継者が少ないことも、その原因です。
資本金0の企業がほとんどで、従事者3人以下(主人・妻・祖父)が過半数を占めています。
又、市内の他の産業(地傷産業)と竹製造業との比較すると、平均勤続年数・労働時間が゜長い割に、賃金が低く、そしてエ場面積が狭い。このような現状は、そのまま「駿河竹千筋細工」業界が抱えている問題です。
大きな課題として、後継者不足・新製品の開発・需要の開拓の3つがあげられます。
そのため、組合としては研修などを行い、改善に努めています。
今後の万向としては、PRによる知名度のアップ、デザインの工夫とニーズをつかんだ製品づくり、付加価値の高い商品づくりが重要であると考えます。


従事者の推移

年度(昭和)
企業数 従事者 年商(千万円)
47 55 131
49 48 120
51 48 120 36
52 30 85 37
53 30 77 35
57 27 69 39

静岡竹工芸協同組合調べ。
昭和52年から企業数が減っています。

(昭和58年発行、静岡竹工芸協同組合資料より)

「駿河竹千筋細工」

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